その方に初めて、お目にかかったのは
昨年の秋でした。
大きな目的もなく、風のむくまま、気の向くまま
気分転換がしたくて出かけた、北海道のいつもの旅先で
人生ごと、大きく揺さぶられることになりました。
見せていただいた、お住まいには
その方の抑えきれぬ感性と美意識が
あらゆる場所に凝縮されていました。
わたしは圧倒され
忘れ得ぬ、絵画と出会った時のような
身動きが、取れぬ状態になりました。
そこには、なにひとつ行き過ぎたものはなく
全てが最上級のバランスで、そこに存在していました。
「生活」を決して置き去りにしない
極上にシンプルな「美」に
わたしは、初めて出会いました。
その旅でのマダムとの出会いは
まるで、恋のように
帰京後も、心の中で、わたしの日常と
並走し始めていきました。
自由も美も、人の内側から煌めく。
どこに居ても。