森に抱かれ眠る夜

生まれ育った東京を離れ、北の大地で暮らしてみることに。子育てを終え "Restart" する 私の新しい生き方。

時代おくれの新しさ

先日、BS-TBSで再放送されていた

「昭和の巨星スペシャル 作詞家・阿久悠

 〜時代を超え今も心に灯る5000曲の言霊〜」

を見て、エンディングに流れた

阿久悠さんの言葉にやられ

 

明治大学キャンパス内にある

「阿久悠記念館」に、初めて行ってきました。

 

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@明治大学 

 

作詞だけにとどまらず、多岐にわたる文筆活動をされた

阿久さんの人生の背景から、時代の捉え方、生き方を

感じることが出来る、素敵な記念館でした。

 

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「阿久悠記念館」@明治大学アカデミーコモン地階

 

特に、阿久悠さんの仕事部屋を再現した空間に興味津々で

色々な角度からへばりつき、見入ってしまいました。

 

どんな本を読まれ、どんな物を手元に置いて

言葉を生み出していらっしゃったのか。

 

ご興味ある方は、是非、実際に記念館に行って

体感なさってみてください。

 

番組のエンディングに、わたしの中に杭のように残った詩。

「時代遅れの新しさ」は、

1998年 阿久悠さんの母校、明治大学の卒業式で

卒業生に向けて送られた詩でした。

 

記念館の最初のコーナーにも、この詩の手書き原稿が

展示されておりました。 

 

縦書きを大切にされていた阿久さんには

大切僭越ながら、ここに引用させていただきます。

 

 

「時代おくれの新しさ」

時代に遅れないように
というのがモットーで 
そればかり考えて来たが
近頃になって
どうしたら上手に
時代に遅れられるだろうかと
懸命に考えている

時代という不確かなものが
まるで被害妄想のように
お色直しをくり返しているが
ずっとそれにつき合っていては
ぼくらは風邪をひいてしまうし
また
折角着たものに馴染むひまもない
だからといって
時代ばなれでいいわけではなく
走りまわる時代を
きちんと見つめながら
「勝手にジタバタしなさいよ」
ぐらいのことは言っていい段階
ということである
変わらなくてもいい変化
不必要な新しさ
人間を馬鹿にした進歩
それらを正確により分け
すぐに腐る種類の新しさや
単なる焦りからの変化には
「パス」
と叫んでも悪くない

しかし
そのためには
新しがるよりもっと正確に
時代の知識が必要になる
一歩先へ行って
時代遅れを選択する
やっぱり
幸福を考えたいから

 

 
 

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